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文化財保存修理

2021.11.01

旧山村船具店保存修理工事(前編)

こんにちは(^^)/
平成17年~平成20年度に浜崎伝建地区の町並み交流施設として弊社が整備致しました。
以前のホームページに掲載していましたが、この度新しいページにも
文化財補修での弊社の実績として3回に分けてご紹介していこうと思います。
まずは前編をご覧ください。
※なお、文中記載の会社名や日程等については当時のままを転載しています。

旧山村船具店は、主屋2棟、土蔵2棟、離屋1棟からなります。主屋と道路側から見える大きな土蔵は、これまで幾度もの改造が行われていますが、いずれも19世紀の前半くらいに建てられたものと思われます。
主屋の後方には庭園や井戸があり、その奥には大正期から昭和初期に建てられた小さな土蔵や二階茶室を収める離屋があります。

萩市は、昨年度、所有されていた山村さんから浜崎のまちづくりに役立てて欲しいとの意向により寄付を受け、同じく所有者から寄付を受けた旧山中家住宅と合わせて、浜崎伝建地区の町並み交流施設として整備することとしました。

保存修理工事は、江戸時代以来の風雪に耐え、老朽化が進んでいる屋根や柱・梁、床組みや土台に至るまで、傷みのある部分は徹底的な修理を行うとともに、この建物が最も輝いていた時代の姿に復原します。

あわせて、浜崎を訪れる観光客と浜崎のみなさんの交流をはかれるよう、施設をどのように使い、そのためにどのような整備をするべきかを検討する委員会を立ち上げ、みなさんが活用しやすい施設となるよう整備を行います。

旧山村船具店保存修理工事は、主屋の瓦葺き、外壁の赤土塗の施工中です。
瓦は、奈良産のいぶし瓦を使用しています。
以前は全て葺き土による湿式工法でしたが、主屋の大屋根は引掛け桟工法による、乾式工法での葺き上げとなります。
西側の下屋は既存の古瓦を使用するため前述の湿式工法です。

下地は杉野地板張りの上に土居葺(上の画像参照)をしています。使用している板は杉の赤身手割り板で厚みは3mm長さは300mmです。
熟練職人による手作業で作られます。葺き職人は岡山の児島工務店の野沢さんです。

彼らは全国の重要文化財の屋根工事に携わっておられます。聞くところによると、東光寺の屋根工事も施工されたそうです。

主屋外部大壁です。
外壁及びのど(軒裏)の赤土塗です。今期は中塗までの工事です。(仕上の漆喰塗は次期となります)
青竹と際垂木に、麻縄とわら縄を使い編み込んでのど(軒裏)の下地を作ります。
ここに、最初は内部に赤土を手でもって塗り込めます。外部も合わせて付けおくります。

その後、十分乾燥をさせてから斑直し(むらなおし)をします。次に2回に分けて、中塗をして整えます。
中塗までで全ての形を整えておきます。下地はここまで。
あとは漆喰を塗って仕上げ完了です。

土蔵(南)改修です。
左上は着工前です。外壁の焼杉板を撤去すると、当時の海鼠壁や銅製開戸の痕跡がでました。
この開戸は現存する大戸左上のものと同じだと考えられます。この開戸は受け材に鉄製のフラットバーを編み込むようにそれぞれを折り曲げて組み上げています。
当時の鍛冶技術には大変優れていたようです。
屋根瓦を撤去し、小屋組の調査をしています。杉材の小割り板での土居葺の上に土葺きで瓦が葺いてありました。
経年の雨漏りで痛みがひどく垂木、化粧野地板や瓦座は新材にて復原となりました。
のど部の縄も以前の修理で切断され縄巻竹で修復しています。  

今回は主屋(南)の改修です。
上2段は外壁腰壁の海鼠壁です。ここの下地は全てが従来の赤土壁ではありません。
耐力壁として、荒壁パネルを張っています。従って若干、海鼠瓦の張り方は現代風に変更しています。
3段目は外壁の漆喰塗りです。竹小舞掻きで赤土を塗り足して下地を造ります。
中塗り、斑直しをし上塗(漆喰)を塗ります。段差などの意匠は中塗りで造ります。
一部、西側の下屋根上には黒漆喰仕上げの部分があり、復原しています。  

 

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